「住宅省エネ2023キャンペーン」の事業者登録が完了しました。
結構は早く事業者登録を申請したので、まだ登録業者は少ないです。
住宅省エネ2023キャンペーン」は、2050年カーボンニュートラルの実現に向け、
家庭部門の省エネを強力に推進するため、住宅の断熱性の向上や高効率給湯器の導入等の
住宅省エネ化を支援する新たに創設された3つの補助事業の総称です。
「新築やリフォームで省エネ住宅にすると補助金を出しますよ」
という事業です。
今までにも似たような補助金はありました。
ですが、すごく個人的に、特に注目している補助金は、
「先進的窓リノベ事業」
です。
最大で200万円の補助金が貰えます。
今まで、弊社でも新築住宅で、補助金申請の実績は多数あるのですが
100万ちょっとくらいが最高額でした。
「200万円」ってすごい金額です。
自動車1台買えますね。
最近、「ガイアの夜明け」や「クローズアップ現代」などのテレビ番組でも
住宅の断熱性能について取り上げられています。
先進国の中でも、日本の住宅はとりわけ寒い。
地震のある国なので、耐震性についての法律はあるのですが、
断熱性能に関しては、やっと、2025年に断熱性能の基準が明確に規定されます。
ホントに、やっと義務化されます。
地域によって基準は変わります。
断熱性能を考える上で、
一番重要なのは「窓」
です。
冬場は開口部から約58%の熱が逃げ、
夏場は開口部から約73%の熱が入ってきます。
※出典:(一社)日本建材・住宅設備産業協会 省エネルギー建材普及促進センター
「省エネ建材で、快適な家、健康な家」より
ただ、窓自体の交換リフォームはお金がかかります。
新築のお施主様には、最初の段階でお話すのですが、
「窓をリフォームするとお金がかかります。
なので、新築時に高性能の窓にした方がいいです。」
とお伝えします。
窓のリフォームは、3種類くらいあります。
①古い窓を新しい窓に交換
②古い窓の枠を残して、カバー工法で新しい窓に交換
③古い窓を残して内窓設置
①は外壁と室内壁も壊さないと施工できない方法です。
ですので、室内の壁紙や外壁の補修が必要になります。
②は施工としては比較的楽ですが、カバー工法のサッシ自体の価格が高い設定です
※ただ、玄関ドアのリフォームは、カバー工法の方がいいと思います。
③は内側にもう一つ窓を設置するので比較的安く簡単に施工できます。
小さい窓でしたら数時間で施工完了です。
内窓は、テレビ番組でも取り上げられていましたね。
費用対効果ではかなりおススメです。
ただ、窓が2重になるので、それが好ましくない方は違う施工方法がいいかもしれません。
共和木材 内窓インプラス設置施工事例
もちろん断熱材も重要です。
断熱材は厚い方が高性能ですが、素材によって断熱性能は大きく変わります。
断熱材によって同じ厚みでも性能は違います。
コストも違います。
それと、
忘れてはならないのは
“気密性能”
です。
いくら高級な高性能断熱材を使っても、
隙間があったら断熱性能は悪くなるという話です。
高級ダウンを着込んでていても、隙間があったら寒いです。
当たり前ですよね。
ただ、この当たり前のことが、ここ数年前まで、
あまり認知されていませんでした。
弊社でも、気密測定を導入しだしたのは10年くらい前からです。
今では、新築住宅は全棟実施です。
坂戸モデルハウス 気密測定の様子
気密性能は断熱性能と違って、設計する時に計算するのではなく、
施工した時に気密測定をして、初めて数値がわかります。
ですので、同じ仕様で、もう一回同じに建てても、同じ数値にはなりません。
断熱性能は一般的にはUa値で表します。
数字が小さいほど、高性能という事になります。
気密性能はC値という値です。
これも同じく、数値が小さいほど、気密性が良いと考えます。
弊社の新築住宅だと、0.5以下になるように施工しています。
(法律では決まっていませんし、ただ自主的に測定しています。)
測定して、0.5以下だとホッとします。
職人みんなのおかげで、達成できます。
実際、弊社の測定値は0.2 ~ 0.4くらいと様々です。
この様々というのがミソで、目標0.5以下にするという事でしか気密施工できません。
例えば、お施主さんにC値は0.2がいいとか、C値が0.6がいいと言われても、
はっきり言って、できないです。
できる会社さんがあれば、教えていただきたいくらいです。
C値を0.5以下にする目標にして施工することはできますが、
C値をその数値にぴったり合わせることは不可能です。
隙間という隙間を防ぐ工事をして、初めて気密性能が向上するからです。
ですので、気密性能が良いか悪いかは施工する会社の技術力で変わります。
「気密なんて関係ないですよ」って
言っている施工会社があったら
論外だと思います。
健康と断熱性能・気密性能に関する論文も建築業界では有名です。
同業者の中で、この文字を見たら反発されるかもしれませんが
東大の前准教授もおっしゃってます。「“気密”は大事」と。
あくまで、「断熱」と「気密」はセットで考えるべきです。
もちろん、同業者で、「そんなのあたりまえじゃん」と思われている方も大勢います。
ちなみに、木造住宅の方が気密性能は良い傾向で、軽量鉄骨は気密性能があまりよくないです。
C値が2.0でも良しとしているところもあります。
正直、それでは高性能断熱材を使っても残念な感じしかしません。
工場で組み立てた住宅でも、現場次第でC値は変わります。
ただ、ここまで気密性能の事を書いてきて、恐縮ですが、リフォームやリノベーションの場合は
C値を1.0以下にするのは非常に大変です。(言い訳がましくてすみません。)
実際、弊社で施工した、ほぼフルリノベーションに近い物件でもC値は1.4くらいでした。
完全に屋根などを取っ払って、柱と梁だけの状態からなら、気密性を確保しやすいですが
一部分だけだと、既存のモノに合わせないとダメなので、
どうしても隙間ができやすいです。
今施工中のリノベーション物件も、気密性能を上げるために試行錯誤している段階です。
ちなみに、坂戸の注文住宅のモデルハウスのC値は0.4です。
電気代も今年に入ってから、高いという情報も耳にしますが、
4月からは3割から4割、電気料金が値上がりする地域があるみたいです。
ということは、断熱性能の悪い住宅だと、電気代が跳ね上がることになります。
もちろん断熱性能が良い住宅の方が、夏場の冷房代、冬場の暖房代が下がります。
正直、お恥ずかしい話ですが、自社で施工した自宅も築年数が古いので、
補助金の事を考えると本気で断熱リノベを考えています。
是非、断熱リノベで、
電気代が安くなる住宅をお考えいただければと思います。