東松山市の新築住宅の現場です。
先日、第三者機関に依頼して、気密測定を実施しました。
気密測定は家の隙間から空気が漏れていないか確認する試験です。
理論値ではなくて、一棟一棟、測定を実施しないとデータはわかりません。
どれくらいの性能なのかを判断するには、車の燃費と同じで指標となる数値があります。
C値( 隙間相当面積 )という値です。
この値が小さいほど、気密性能が良いことになります。
C値が1.0 ㎠/㎡以下なら気密性能としては良い性能だと思います。
共和木材ではC値が0.5 ㎠/㎡以下です。
よく、「高気密高断熱の家を作ったのだけれど、寒い」なんて言う話を聞いたことがありますが、その住宅は、本当に高気密なのかを疑ってしまいます。
大手ハウスメーカーでも、気密測定は必ず実施していません。
むしろ気密測定をしてないハウスメーカーの方が多いです。
地場の気密断熱に力をいれている住宅会社の方が気密性能の数値は良い場合が多いです。
ただ、気密なんかをよく考えてない場合は、目も与えられないくらい気密性能が低い地場の住宅会社もあります。
C値は断熱性能のいい住宅をつくる場合の一つの判断材料になると思います。
住宅会社に「C値はいくつですか?」と聞いて即答で
「うちは平均でC値はだいたい〇〇以下ですよ」
と答えられる会社は、気密の事に関してきっちりと考えて施工している会社だと思います。
あくまで、1棟1棟違うので測定している会社は平均でしか答えられません。
C値そのものを知らなかったり、「C値なんて関係ないですよ」というような場合は
断熱性能に関してはその住宅会社では諦めた方がいいかもしれません。
デザイン性やそのことを重要視されるならいいと思います。
一般的に、プレハブ工法や軽量鉄骨の住宅より、木造住宅の方がC値の数値は良い値が出ます。
気密性能が良いという事です。
その住宅が高気密かを判断するには、C値を現場で測定しないと判断できません。
これは断言できます!
もし、気密測定をしないで、高気密と謳っている住宅会社は疑った方がいいと思います。
絶対に信用してはいけません。
気密性能は理論値ではなくて1棟1棟測定しないと気密の数値は誰にもわかりません。
自社でも、測定して初めてわかります。
経験上、どうすれば気密が取れるかはわかります。
せっかく、いい断熱材を使用しても、気密性能が悪いと、断熱性能は理論値よりもかなり悪くなってしまいます。
「冬暖かくて、夏涼しい家に住みたい」と思って、断熱材にこだわる方は大勢いますが、気密性能にこだわる方はまだ少ないと思います。
ですが、断熱性を考えるうえでも、気密性能は非常に重要な要素です。
「高気密の住宅は体に良くないんじゃないのか?」と思われる方もいるかもしれませんね。
ですが、最近の研究では、気密性の悪い住宅から気密性の良い住宅に引っ越した場合、「アトピーや喘息などの症状が改善した」という近畿大学の岩前研究室の実験データもあります。
昨年、週刊文春、2017年10月5日号の特集ページにも掲載されていました。
住宅を新築する上で、C値の値がどういう数値かはとても重要です。
もちろん、リフォームの際にも気密性能がいい方がいいのですが。
実際、リフォームだとフルリフォームしないと数値は良くならないです。
ですが、部分的なリフォームだけでも、断熱リフォームをしないよりは断熱効果はあります。
で、今回測定した東松山市の新築工事の現場の結果はどうだったかというと、C値は0.2 ㎠/㎡でした。
かなりいい測定結果で、日本の住宅でもトップクラスの値です。
この数値を出すには、かなり隙間に気を付けて施工していかないといけないので、現場の職人の力のおかげです。
ちなみに断熱材はアイシネンの断熱材を吹き付け施工で、隙間なく密閉しています。
小さい窓枠の周りも、きっちりと充填しているので断熱性能もいいです。
柱は120mm角です。断熱材の厚みは100mmから120mmくらいなので標準よりも厚みがあります。
家を丸ごと魔法瓶のようにした感じです。
当社でも高気密高断熱住宅を手掛けているので、これからも継続して確実に施工していきたいと思います。